並ぶと言うこと。

2022年2月16日


今年の某日、公共料の振込みでコンビニに行きました。

コンビニは通常レジが2台あって、真ん中辺りで1列に並び、空いたレジから順番に会計へと進みます。

その日もレジが混んでいて、私は列に並んでいました。

すると、入口から入ってきたおばあちゃんが、そのまま真っすぐレジに行き、店員さんに何かを聞いてました。

そしたら、レジの先頭に並んでいたタクシーの運転手が大きな声で怒鳴りました。

「こら、ばばぁ、並ばんかぇ!」

(声の大きさが昭和、私も昭和ですが…)

その声でコンビニにいる人は全員、一瞬フリーズしました。

もちろん、おばあちゃんはその声にびっくりして、小さな声で謝ってました。

「ごめんなさい、すいません、(列に)気づかんかった」と。

そして、タクシーの運転手はレジに進み、店員にも怒鳴ってました。

「お前も注意しろよ!アホか~!」

と、言い残し店を出ていきました。

ん~なんだかなって思いました。

簡単な話、大きな声を出さず、普通に、

「お姉さん、みんな並んでるので、並んでくださいね」って笑顔で言えばいい話なんですけどね。

最近、怒りを店員にぶつける人が多いと思います。

 私のお店は、現在たくさんの方にご来店頂き、待ち時間も長くなっています。

それに伴い、スタッフに対する態度が目に余ることが多いです。

クローバーはオープンしてから12年経ちますが、最近は本当に多いです。

ベーグルが売り切れていたのでガラスのドアを蹴って帰るスーツ姿の女性。

怒鳴る、にらむ、お金を投げる、終始不機嫌。

「お待たせして申し訳ございません」とお声がけすれば、「寒い中」をつけろ!

つまり「寒い中お待たせして申し訳ございません」と言え。

と数え切ればキリがないです。

もちろん、お待たせして本当に申し訳ないと思いますが、怒りを覚えるまで待つ必要はないと思います。

私はニューヨークに行ってベーグルを食べえるのに並びますが、かなり待ちます。

ほんまに永遠に待ちます。

店内もまだまだ並んでます

また、オーダーを忘れてることや、間違えてることも多々ある…(^^;)

でも怒鳴ったり、嫌がらせなどしません。

時間がなければ、またの機会に並びます。

ニューヨークのベーグル屋さんでの接客は、とてもアットホームな雰囲気です。

こんなにたくさんの人が並んでいても、店員さんは笑顔でお客さんと世間話しています。

「元気」「どこから来たの?」「日本行ったことあるよ」「僕のお勧めはこのサンドだよ」等々。

常連さんに、先週行った釣りの話とかを永遠としています。

ひとりひとりと向き合った接客です。

並んでいる人ことなんて考えてないのです。

(ちょっとは気にしてね!)

オーダーしてからサンドイッチができるまで10~15分かかるのは当たり前。

もし、店員に横柄な態度をすれば追い出されます。

私の英語が伝わらず怒られることも(^^;)

日本と立場が逆ですね。

もちろん、アメリカが完璧な世界ではないですが、少なくとも温かさを感じます。

 クローバーではベーグル、サンドといろいろな種類があります。

1人のお客様が1個だけ買われたり、5個買われたりと売り切れる人数が把握できません。

「売り切れる時間を早く言えと」怒鳴るお客さん。

でもお客さんが1個買うのか、2個買うのか、8個買うのかはわからないのです。

今までの経験上の目安をお伝えしても納得しない。

これからスタッフを増やしたり、整理券等を検討していますが、売り切れるタイミングは絶対把握できないでしょう。

また、大幅に待ち時間を縮めることはできないでしょう。

 今は1組様の入店となってます。

コロナ前は、同時に2組、3組と入店することができました。

そうすると奪い合いになることがありました。

人が選んでいるのに、横から手をだして取り上げる。

(昔はサンドイッチをお客さんから直接選べたので)

そういうのは嫌なんです。

1組様入店にすることで、友達と「どれにしよ~」「選ばれへんわ~」と言いながら選ぶ方が楽しいと思います。

スタッフにベーグルの事を教えてほしい、おすすめベーグルとか、ベーグルを選んでほしい等々、お答えするのも大切だと考えてます。

私とニューヨークの事を話したい、看板娘と世間話したいというお客さんもいらっしゃいます。

 日曜日はオーダーをお聞きしてから、サンドイッチをおつくりしています。

それは作り置きよりも美味しいからです。

1個3分~5分で出来上がります。

作り置きにすれば、早く提供できると思います。

でも、出来立ての方が美味しい。

自分たちが美味しいと思えるサンドを提供したいと思ってます。

だから続けたいと思っています。

 クローバーでベーグルを購入するとき、長い時間お待たせする場合がございます。

でも、怒りが込み上げるまで待つ必要はないと思います。

怒りながらベーグルを食べても美味しくないからです。

待つことが苦手な方はおすすめ致しません。

 常連さんで早い方は8時45分くらから待たれています。

暑い日も寒い日も。

いつも、いつも申し訳ないなと思っています。

でも、なぜか喜んで買って帰られます。

この差は何なのだろうか。

その方の好きなベーグルをつくっていると、その方を思います。

その方のやさしさに甘んじず、できるだけお待たせしないようにベーグルをつくろうと思います。

 長い文章をここまでお読み頂きありがとうございます。

私たちはできる限り、安全で美味しいベーグルを提案していきたいと、ただ単に思いベーグルをつくっているだけです。

いろいろなご意見があると思いますが、大企業でなく、町のちいさなベーグル屋さんなので、こんな店もあるんだなぐらいでお許しください。

店主 奥田