並ぶと言うこと。
今年の某日、公共料の振込みでコンビニに行きました。
コンビニは通常レジが2台あって、真ん中辺りで1列に並び、空いたレジから順番に会計へと進みます。
その日もレジが混んでいて、私は列に並んでいました。
すると、入口から入ってきたおばあちゃんが、そのまま真っすぐレジに行き、店員さんに何かを聞いてました。
そしたら、レジの先頭に並んでいたタクシーの運転手が大きな声で怒鳴りました。
「こら、ばばぁ、並ばんかぇ!」
(声の大きさが昭和、私も昭和ですが…)
その声でコンビニにいる人は全員、一瞬フリーズしました。
もちろん、おばあちゃんはその声にびっくりして、小さな声で謝ってました。
「ごめんなさい、すいません、(列に)気づかんかった」と。
そして、タクシーの運転手はレジに進み、店員にも怒鳴ってました。
「お前も注意しろよ!アホか~!」
と、言い残し店を出ていきました。
ん~なんだかなって思いました。
簡単な話、大きな声を出さず、普通に、
「お姉さん、みんな並んでるので、並んでくださいね」って笑顔で言えばいい話なんですけどね。
最近、怒りを店員にぶつける人が多いと思います。
私のお店は、現在たくさんの方にご来店頂き、待ち時間も長くなっています。
それに伴い、スタッフに対する態度が目に余ることが多いです。
クローバーはオープンしてから12年経ちますが、最近は本当に多いです。
ベーグルが売り切れていたのでガラスのドアを蹴って帰るスーツ姿の女性。
怒鳴る、にらむ、お金を投げる、終始不機嫌。
「お待たせして申し訳ございません」とお声がけすれば、「寒い中」をつけろ!
つまり「寒い中お待たせして申し訳ございません」と言え。
と数え切ればキリがないです。
もちろん、お待たせして本当に申し訳ないと思いますが、怒りを覚えるまで待つ必要はないと思います。
私はニューヨークに行ってベーグルを食べえるのに並びますが、かなり待ちます。
ほんまに永遠に待ちます。
また、オーダーを忘れてることや、間違えてることも多々ある…(^^;)
でも怒鳴ったり、嫌がらせなどしません。
時間がなければ、またの機会に並びます。
ニューヨークのベーグル屋さんでの接客は、とてもアットホームな雰囲気です。
こんなにたくさんの人が並んでいても、店員さんは笑顔でお客さんと世間話しています。
「元気」「どこから来たの?」「日本行ったことあるよ」「僕のお勧めはこのサンドだよ」等々。
常連さんに、先週行った釣りの話とかを永遠としています。
ひとりひとりと向き合った接客です。
並んでいる人ことなんて考えてないのです。
(ちょっとは気にしてね!)
オーダーしてからサンドイッチができるまで10~15分かかるのは当たり前。
もし、店員に横柄な態度をすれば追い出されます。
私の英語が伝わらず怒られることも(^^;)
日本と立場が逆ですね。
もちろん、アメリカが完璧な世界ではないですが、少なくとも温かさを感じます。
クローバーではベーグル、サンドといろいろな種類があります。
1人のお客様が1個だけ買われたり、5個買われたりと売り切れる人数が把握できません。
「売り切れる時間を早く言えと」怒鳴るお客さん。
でもお客さんが1個買うのか、2個買うのか、8個買うのかはわからないのです。
今までの経験上の目安をお伝えしても納得しない。
これからスタッフを増やしたり、整理券等を検討していますが、売り切れるタイミングは絶対把握できないでしょう。
また、大幅に待ち時間を縮めることはできないでしょう。
今は1組様の入店となってます。
コロナ前は、同時に2組、3組と入店することができました。
そうすると奪い合いになることがありました。
人が選んでいるのに、横から手をだして取り上げる。
(昔はサンドイッチをお客さんから直接選べたので)
そういうのは嫌なんです。
1組様入店にすることで、友達と「どれにしよ~」「選ばれへんわ~」と言いながら選ぶ方が楽しいと思います。
スタッフにベーグルの事を教えてほしい、おすすめベーグルとか、ベーグルを選んでほしい等々、お答えするのも大切だと考えてます。
私とニューヨークの事を話したい、看板娘と世間話したいというお客さんもいらっしゃいます。
日曜日はオーダーをお聞きしてから、サンドイッチをおつくりしています。
それは作り置きよりも美味しいからです。
1個3分~5分で出来上がります。
作り置きにすれば、早く提供できると思います。
でも、出来立ての方が美味しい。
自分たちが美味しいと思えるサンドを提供したいと思ってます。
だから続けたいと思っています。
クローバーでベーグルを購入するとき、長い時間お待たせする場合がございます。
でも、怒りが込み上げるまで待つ必要はないと思います。
怒りながらベーグルを食べても美味しくないからです。
待つことが苦手な方はおすすめ致しません。
常連さんで早い方は8時45分くらから待たれています。
暑い日も寒い日も。
いつも、いつも申し訳ないなと思っています。
でも、なぜか喜んで買って帰られます。
この差は何なのだろうか。
その方の好きなベーグルをつくっていると、その方を思います。
その方のやさしさに甘んじず、できるだけお待たせしないようにベーグルをつくろうと思います。
長い文章をここまでお読み頂きありがとうございます。
私たちはできる限り、安全で美味しいベーグルを提案していきたいと、ただ単に思いベーグルをつくっているだけです。
いろいろなご意見があると思いますが、大企業でなく、町のちいさなベーグル屋さんなので、こんな店もあるんだなぐらいでお許しください。
店主 奥田
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